評価機器
薄膜の評価は、その薄膜をどういう目的で利用するかによって決まります。
例えば、薄膜で機械的強度を高めるために用いるのであれば、評価対象として、硬度や付着性などが重要なファクターであり、光学的特性を付与するのであれば、反射率や透過率といった数値が重要となります。
東邦化研では、お客様のご要望にお応えすべく、薄膜に関わる分析・測定も承っております。
走査電子顕微鏡(SEM)
JSM-IT100(日本電子(株))
加速した電子線を電子レンズで集束させ、試料表面を走査することで二次電子や反射電子が放出されます。これを取り込むことで像が得られます。

超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)
SU-8010(日立ハイテク(株))
分解能が高く、より微細なものまで鮮明に観察する事ができます。

- 主に、成膜した膜表面や断面の観察を行っております。
- その他、サンプルの微細構造や欠陥解析に用いております。
こちらはイオンプレーティング法による薄膜の断面写真です。

エネルギー分散型X線分析装置(EDS)
JSM-IT100(日本電子(株))
Ultim Extreme(オックスフォード・インストゥルメンツ(株))
電子線をあてた際に表出する特性X線を検出し、X線から得られたエネルギー分布から元素を調べることができます。B(ホウ素)~U(ウラン)まで元素分析が可能です。また、デジタルマッピングにより、特定元素の分布が観察できます。
- 合金膜作製後の組成比の計測や、マッピングにより材料分布などを観察します。
- 不良解析や、問題解決の際に役立ちます。
こちらはSi WaferにAu/Cr膜を形成した断面写真及び元素分析画像です。





超薄膜スクラッチ試験器
CSR-5100((株)レスカ)
コーティング膜の表面を、スタイラス(針のようなもの)に荷重をかけながら引掻き、膜を強制的に剥がして密着強度を計測します。
コーティング膜と基板(膜を付けた対象物)間の付着力を、ある条件下での相対値で求めます。
成膜の条件を変えた時の付着力の比較に用います。

紫外・可視・近赤外分光光度計
UV-3600i Plus/付属:MPC-603A((株)島津製作所)
185nm~3300nmの紫外~近赤外までの分光特性をとることが出来ます。また、マルチパーパス大形試料室ユニット(MPC-603A)にて220nm~2600nmの反射率計測も可能です。
コーティング膜の透過率・反射率測定に用います。ただし、透過率の場合はRefを用いた計測値となります。

低抵抗率計
ロレスターGP((株)三菱化学アナリック)
コーティング膜の表面抵抗、体積抵抗計測に用います。
写真は成膜した表面に4本の針の付いた電極を置き、外側二探針間に電流を流し、内側二探針間に生じる電位差を測定することで抵抗値を求める、四探針法による抵抗測定です。

デジタル超高抵抗/微小電流計
R8340((株)アドバンテスト)
高抵抗の膜に対しては主電極、ガード電極、対向電極を用いて、超高抵抗/微小電流計にて計測いたします。

接触角計
CA-D(協和界面科学(株))
表面上に液滴を垂らし、その接触角を測ることでぬれ性・親水性・疎水性・撥水性の評価を行います。
撥水や親水目的で基板に成膜した場合、膜表面の接触角を計測し、どの程度機能性が向上したか観察します。

マイクロビッカース硬さ試験機
HM-200((株)ミツトヨ)
主に膜の硬さを計測するのに用います。小さな部品であれば自動で全体像の写真を撮ることが可能です。そこから複数の試験位置を指定して試験から評価まで全自動で行うことができます。
荷重は0.05gfまで設定可能です。くぼみの読み取り上5gf程度からとなります。よって薄い膜には向きません。

デジタルマイクロスコープ
VHX-5000((株)キーエンス)
円や角度の計測も可能です。また、長距離高性能ズームレンズにより高さのあるものでも容易に計測できます。
マスクの寸法計測や、凹凸の大きな基板の寸法観測に用います。
マスクを用いて作製したパターンの計測に用います。

白色干渉計搭載レーザ顕微鏡
VK-X3000((株)キーエンス)
寸法計測に加え、三次元形状や表面粗さなどさまざまな測定・観察・解析が可能です。
